紫根って何?薬効も染めもすべてがわかるシコンダイジェスト!

       
     
       

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医療の世界でも古くから良いものと知られている“紫根”とは?

紫根(しこん)とはムラサキ科の多年草の根の部分のことをいいます。主に東アジア温帯各地、中国東北部の山や草原などに自生しています。

染料や生薬として使用するのは、この紫色をした根の部分です。

「魔女たちの22時」で見た「紫根」は実は古くからあった美肌成分です。そのことは「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にも載っていて、生薬として中国では「紫草(しそう)」、日本では「紫根(しこん)」と称しています。

ざっと挙げて下記の効用があります。

<皮膚、体の外側での効用>

・肉芽の発生促進・腫瘍の排膿・皮膚病薬・火傷薬・切り傷・しもやけ薬・水虫・消炎・痔・イボ取り

<体内での健康のための効用>

・解熱・解毒・下痢止め・鎮痛作用・胃腸薬

<生活のための効用>

・染料として

染料だけは体の健康のためではなく生活文化に根付いた使い方ですが、紫根一つでこれだけ役立つということに驚きです。

内服薬としても外用薬としても優れている“紫根”のお薬

紫根が使われている漢方薬には、紫草快斑湯(しそうかいはんとう)、紫草消毒飲(しそうしょうどくいん)、紫根牡蠣湯(しこんぼれいとう)などがありますが、日本で手に入るのは紫根牡蠣湯だけのようです。中国に比べ、日本は内服としてはあまり使われていないようです。

紫根牡蠣湯は貧血、悪性の腫瘍、悪性の皮膚病、リンパ腺などの炎症に処方される漢方薬です。

使われている生薬の中に紫根と当帰がありますが、同じ組み合わせが塗り薬の紫雲膏(しうんこう)でも配合されています。

紫根牡蠣湯でも紫雲膏でも血行促進、皮膚を回復させ、炎症を抑えていく効果のある薬です。どちらも紫根がメインとして使われているのですが、紫根には清熱・解毒・排膿の働きがあり、内服でも外用でも皮膚に対して炎症を鎮めてくれます

江戸時代に、チョウセンアサガオの麻酔作用を利用して乳がんの外科手術を行ったとして世界的に知られる名外科医、華岡青洲(はなおかせいしゅう)が創出した漢方が「紫根」を使った「紫雲膏」です。

幅広い皮膚疾患の薬として今も使われている外用薬です。外傷、火傷、かぶれ、虫さされ、あせも、痔に効く薬とされています。

美肌効果のターゲットは老若男女問わず!ツヤ肌を作る“紫根”

紫根の美容効果が優れていることが知られ、化粧品などでも配合されることが徐々に増えてきました。

美魔女ブームの中で評判になったこともあり、アンチエイジングのイメージが強いかもしれませんが、アンチエイジングだけではなく、保湿効果が高く、乾燥に悩むご年配の方や、冬場の皮膚がカサカサしやすいお子さんも安心して使えます

日焼けなどの炎症を抑える効果もあるので、夏場のダメージ肌にもぴったりです。

新陳代謝を高め、シミ・そばかす・くすみを薄めるための美白効果なども期待でき、安全性と美白を愛する日本女性にオススメです。

“紫根”の仲間はホームセンターにもある馴染みのあるあの花!

また、中国では、ムラサキの根からとれるものを「硬紫根(こうしこん)」、セイヨウムラサキの根からとれるものは「軟紫根(なんしこん)」とよび、どちらもコルク皮の多いものが良品とされています。

成分にナフトキノンン誘導体の「シニコン」、「アセチルシコニン」などの紫色色素を含み、抗炎症、肉芽促進作用などがあります。

ちなみにムラサキという花にはピンとこなくても、「ワスレナグサ」は知っている人が多いのではないでしょうか。ムラサキ科の仲間なのです。

勿忘草

ムラサキの仲間は小さい花が咲き、花びらは5枚、一つの株に渦巻き状に並んでいるそうです。ムラサキは根っこが濃い紫色ですが花は白。

ムラサキの仲間は「ヤマルリソウ」「ワスレナグサ」「ネモフィラ」「ホタルカズラ」などがありますが、これらは花の色が紫色や青色、ピンクなどがあり、ホームセンターなどでも気軽に買えます。

ただムラサキは自生している株が減ってきているので、なかなか気軽に手に入れられない貴重な植物になってきています。

日本中採り尽くされきた貴重な“紫根”

紫根が貴重というよりは、母体のムラサキがかなり貴重です。

ムラサキは日本、中国、アムール地方に分布する多年草で、昔は武蔵野の枕詞になるほど関東に自生していたのですが、今では採り尽くされて、わざわざ栽培しているムラサキ以外はほとんど目にすることができないそうです。北海道では自生しているところがあるようですが、とても希少価値が高いです。

白くて小さく健気な雰囲気で、現代の日本人誰もが見てすぐに名前がわかる目立つ花ではありませんが、数が圧倒的に少なくなって目にする機会が減ってしまったことも知る人が減ってきた原因でしょう。

新たに栽培に取り組もうとしても、発芽率0%と失敗することも少なくないようで、これもまたムラサキが貴重な植物のままという理由の一つです。

農業の施設でもこのような結果になると考えると、勝手にあちこちに自生しているという景色をまた日本で見ることができるようになるには、長い時間が必要になりそうです。

日本ムラサキ苗

いつかまた自生するムラサキが増えてきたら、紫根を気軽に手に入れて、民間療法や紫根染めを家庭でする機会が増えてくるかもしれません。

ムラサキが少ないということは、その根である紫根がより貴重なものを担っているのは当然のことでしょう。

ですが、日本全国の大学や病院、農業などで、紫根の研究を続けている施設がありますので、もっと多くの人が紫根の素晴らしい薬効を当たり前に知っている時代がきてほしいですね。

染色としても優れている“ムラサキ染め” 最も高貴な色 “紫”

日本では古くから染料として用いられることが多く、紅花、藍と並び日本三大色素の一つといわれて重用されてきました。

紫根の花は意外にも可憐な白。根っこだけが紫色なんですね。

古来より高貴な色として扱われ、聖徳太子の冠位十二階の最上位である「大徳」「小徳」の冠も紫根の「紫」色を採用しています。

塗り薬として使われている「紫雲膏」でも薄く塗るようにしないと、衣類にうっすらとその紫色が移ってしまうことがあるほどです。

そのムラサキの根の色素を使って、この色だと思う段階まで何度も何度も染めたものが「紫根染」めと呼ばれている品です。

色素の抽出や染め方がとても難しいといわれています。普通の木灰では青みが強い紫色になる傾向があるようなので、深みと高級感がある紫色を出すためには、ムラサキで染める前に、椿灰汁や浸染用アルミ液で染めることが多いようです。

あの宮澤賢治が『紫紺染について』という作品を発表しているのですが、わざと“根”を“紺”に変えているようです。紫根染めで二等賞を取って上京するストーリー。

宮澤賢治の中では知名度が低いと思われますが、紫根に興味を持った方は楽しめるかもしれません。

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