
目次
同じ紫根が“漢方”と“ハーブ”では異なる?
“漢方”と“ハーブ”。
ヘルシー志向の今の時代に合っているものとして、学びのスクールや資格などが増えてきて専門家としての仕事も広がっています。

ハーブや漢方を学べるスクールは女性にも大人気
では改めて“漢方”と“ハーブ”はどういった違いがあるのでしょうか?
それぞれ、専門のスクールや検定などが多く存在し、深く勉強する人が増えていることから、自然の力を利用した民間療法に興味を持ち始めた人が増えてきたのがわかります。
紫根(しこん)は昔から漢方薬としても東洋ハーブとしても名前が登場する効能が豊富な植物です。
漢方とハーブはどのように考え方が違うのでしょうか。また紫根との関係性はどうでしょうか。
漢方って何?
漢方薬は使用している材料が植物だけではありません。植物のほか、鉱物なども生薬として使い、基本的には複数の種類をバランスよく合わせて作っている薬です。

漢方薬
といっても化学的な添加物は使用せず、自然素材を利用しています。
歴史が何千年と古く、実際に人間が使い続けて発展してきた医療です。中国から伝来してきたものですが、現在医療機関で処方される漢方薬は、日本の風土や日本人の体質に合ったものを確立させていったものです。
よく西洋医学と比較される漢方医学ですが、西洋医学は直接的に効果を体に出す治療が多く、細菌を殺したり、精密検査で体の状態を専門的に調べることも西洋医学の範囲に入ります。
それに対して漢方薬は短時間で効果を発揮させる強い力ではなく、検査結果には出ていないけれどなんとなく体調が不調、季節の変わり目に調子が悪くなる、肌が荒れるといったような、特定の病気として診断できない不定愁訴(ふていしゅうそ)症状に積極的に使われています。
かつては抗生物質など、西洋医学の直接的に症状を和らげる薬を処方されることが多かった医療機関でも、漢方薬を処方する病院が増えてきました。それはやはり、体への負担が抗生物質に比べて少なく、自然の力で治癒できるか様子を見ることができるからです。
といっても種類によっては即効性があるものもありますし、飲み続けることで長期的に回復していく処方のものもあります。
また、そのときの症状に応じて調整することができ、発症から長引いている場合から、まだ症状が出始めの軽い状態のときに適したものなどを、漢方の独自の理論で個人個人に合わせて選べます。
西洋医学では腹痛だったら腹痛止め・下痢止めなど、直接的に速攻で症状を和らげる薬を処方されますが、漢方での診断では、肌荒れで受診してもお腹の調子を見たり、体のコリや冷えなどを確認したり、「どうしてそんなこと聞くの?」と思ってしまうような質問をされることがあります。
漢方は「証(しょう)〜虚・実(きょ・じつ)」、「気・血・水(き・けつ・すい)」という体質を知ってから診断する基準があり、全く同じ症状で同時に受診した二人がいたとしても、全く同じ漢方薬を処方されるとは限らないという特徴があります。
ハーブって何?
ハーブとはラテン語で「草」を意味するヘルバという言葉が由来で、今は健康・美容のために良いと、専門ショップやスクールなどが増え、“メディカルハーブ”や“自然療法”として学ぶ人が増えています。
野菜はどんな風に体に良いかと考えた時に、「人参にはビタミンB1、鉄分、カルシウムがあって・・・」と最初にどんな栄養がある野菜なのかを先に説明する傾向にあります。
ハーブの場合は“ハーブはこういう症状を改善してくれる”という効能や働きありきで、その後に、「なぜならビタミンがあるから・・・」と理由が後からついてくるイメージです。
ハーブが持っている自然の働きで体と心のバランスを整え、穏やかに体に取り込みながら回復していく、という働きが重視されています。
たとえば病気というほどではないので薬を飲むほどではない、だけど胃の調子がなんだか悪い・・・というときに、胃腸を元気にしていくハーブを取り入れます。
その際に、胃液が出すぎてしまうときには胃液を抑える薬、胃に痛みを感じる場合は痛みを抑える薬を西洋医学であれば処方されます。
ハーブであれば胃腸や肝臓、胆のうの働きをよくするペパーミントは胃もたれ・胃痛に効果的ですし、カモミールは健胃作用があり、胃の粘膜を修復する力があります。
過敏性腸症候群や胃潰瘍の人にもよく勧められています。すっきりする清涼感が不快感を和らげてくれる効果もあります。
ハーブティーなどで生活に溶け込んでいて、すぐに取り入れやすい伝統療法です。今では効能は知らなくても味だけで楽しんでいる人も増えています。

ハーブティー
お茶として飲むということは食べ物なので、薬のように用法などは厳しくなく、体が欲している時や飲みたい時に摂ることができます。
さらに薬と比べると成分の量も少ないため、辛い副作用といった心配もほとんどありません。(※妊婦さんなど、平常時と異なる時には注意してください※)
またハーブの“効き方”は、偏った働き方ではありません。一点集中ではなく、全身に対してバランスを整えようとする働き方をします。
お腹の調子が悪いとき、「下痢」と「便秘」では症状が異なりますが、どちらもお腹の調子が悪いことには変わりません。
この症状が異なる症状でも「正常」な状態にしようとするのがハーブの力で、下痢の人は便が固めになり、便秘の人はスムーズに出せるようになるというように、その人にとっての正常な状態に向かわせるのが医薬品とは異なる働き方です。
別の事例では、風邪を引いて高熱が出てしまった場合、西洋医学では解熱剤で熱を直接冷まし、抗生物質で細菌をやっつけて治そうとします。
それに対してハーブを使った“自然療法”では、ウイルスが体内に入って熱を出すのは体の仕組みとして正常なこととして、体を温めて汗をかかせて熱を下げるように自己治癒力をサポートします。
ただ元をたどれば、西洋医学で使われている薬も、こういったハーブなどの有効成分を抽出して人工的に作り出したものが多いので、健康に植物の力は欠かせません。
漢方とハーブの共通点は?
どちらも自然の力で体調を回復させます。
漢方は植物だけに限りませんが、植物であれば漢方もハーブも専門店でリーフの形状で購入することができます。
効能が豊富なことから、健康と同時に美肌にもつながりやすいという共通点があります。
1. 複数の種類を組み合わせて摂ることができる
2. ひとつの症状だけでなく、さまざまな症状を和らげる
3. 体質に合わせて加減することができる
4. 長期的に服用することができる
5. 体を健やかにすることで美容にもつながる
6. 副作用がない
“漢方”と“ハーブ”としての紫根
紫根は漢方薬としてもメディカルハーブとしても利用されています。

紫根の使い方
漢方薬としては喉の痛みを取る「紫草消毒飲(しそうしょうどくいん)」や、皮膚やリンパ腺の炎症に「紫根牡蛎湯 (しこんぼれいとう)」の材料として使われています紫雲膏(しうんこう)などの有名な軟膏にも重要な働きをする材料として使われています。
漢方薬局では紫根だけの単品でも販売しています。
ハーブとしては食品としての摂取ではなく、エキスを抽出して化粧品や軟膏にするなどの使用が多いようです。
紫根エキスになった状態でも販売されていますが、紫根をウォッカに浸してチンキにしたり、オイルに抽出してインフューズドオイルにしたり、煮出してそのまま化粧水として使ったりと方法は様々です。
紫根は“漢方”や“ハーブ”の専門店でも買える?
“漢方”と“ハーブ”、どちらも知れば知るほど奥が深く、ナチュラル志向の人たちから絶大な人気を誇っている紫根(しこん)。
かつては紫根そのものを購入したい場合は漢方薬局しか購入場所がありませんでしたが、今ではハーブ専門店などでも、手作り化粧品の材料として紫根エキスやリーフとして発売されるようになり、安全性の高い品質の紫根が手に入りやすくなりました。

リーフ状の量り売りできるハーブや漢方
また、紫根化粧品も続々と登場し、手軽に使い始めることができるようになりました。
紫根は“漢方”と“ハーブ”で効果の違いがある?
紫根そのものに幅広い効能がありますが、漢方としてもハーブとしても紫根は紫根。
当然同じ効果が残っています。
ただし紫根は“漢方”の世界では、内服薬・外用薬、“ハーブ”の世界としては外用薬または化粧品として使われることが多いので基本的に役立て方が微妙に異なります。

内服用の漢方薬
漢方でも紫雲膏(しうんこう)などの軟膏は傷や炎症を改善し、化粧品などは肌荒れを改善するなど、同じ効果が利用されています。
また、軟膏にしても化粧品にしても、その他に使われている材料との相乗効果で効果の出方は変わってきます。
より自分が求めている“結果”に応えてくれるアイテムを選びましょう。

紫根エキス和漢自然派基礎化粧品
漢方・ハーブとしても
お馴染みの紫根を使用
日本の伝承品「紫草の根 紫根(シコン)」の歴史は古く、万葉集に見ることができます。美健漢方研究所では、1978年、創業当初より歳月をかけて“紫根の力”を最大限に引き出す「紫根基礎化粧品」を開発、改良を重ねてきました。使い続けることでお肌自体をリフレッシュして“肌の自活力”を高めてくれます。